AIR RACE X

ARシステム開発 — SUPER GT / AIR RACE X

AIR RACE X

SUPER GT大会(Phase 1)での初の本番適用を経て、世界大会「AIR RACE X」(Phase 2)のARシステム技術設計・実装を担当しました。実際の飛行データをCGで精密に再現し、ARで都市空間の街並みに合成することで、物理的に離れた選手同士があたかも同じ空で競い合うかのような演出システムを構築しています。

AIR RACE X 公式投稿

AIR RACE X 公式アカウント(@airrace_x)による投稿です。

AIR RACE X とは

AIR RACE Xは、実際の飛行データをもとに、世界中のパイロットのレースをARで再現する新しいエアレースです。各選手は同じ場所に集まるのではなく、それぞれの拠点で飛行し、そのデータを合成することで、同時に競っているかのようなレース映像を生成します。これにより、安全性を保ちながら、臨場感のある空中レースを実現しています。

使用技術

AR・Unity・シェーダー

UnityC#ARShaderHLSLVPSPLATEAUPICO

配信基盤・API

TypeScriptNode.js

インフラ・ツール

JestGitHub ActionsAWSJira

ライブイベント

Live EventOn-site
Phase 12023年8月

SUPER GT 本番適用 — 高速移動体ARシステム

SUPER GT 本番適用 — 高速移動体ARシステム

SUPER GT大会において、実際に飛行する航空機とARをリアルタイムに同期させる実証に参画しました。業務用カメラで撮影した映像に対し、パイロンや飛行機ゴーストなどのAR表現を合成し、会場の大型スクリーンおよびライブ配信へ出力しました。本取り組みを通じて、AIR RACE X(Phase 2)へつながる技術基盤の検証・確立を行いました。

担当業務と技術的課題

距離連動フェードシェーダーの設計

課題

ARで表示するパイロンや飛行機ゴーストを、実写映像に自然になじませる必要がありました。特に、遠距離を飛行する航空機を撮影する環境において、奥行き表現の不一致による違和感が課題となりました。

技術的対応

  • カメラからの距離に応じて透明度・色味を変化させるHLSLシェーダーを実装し、空気遠近感を再現
  • 数百〜数千メートル先を飛行する被写体に対しても破綻しないAR合成を実現
  • 大型スクリーンおよび配信映像での視認性と自然さを両立するようチューニング

現地AR撮影・運用対応

課題

大会当日の現地にて、業務用放送カメラにジャイロセンサー機材を取り付け、リアルタイムAR合成撮影を実施しました。複数地点に設置されたカメラと広大な会場環境の中で、安定したトラッキングと運用が求められました。

技術的対応

  • 放送カメラへのジャイロセンサー機材の取り付け・調整を担当し、カメラ姿勢データを安定取得
  • 全長4km以上のレース会場内を移動しながら、複数の撮影ポイントで設営・調整・運用を実施
  • 現地で初対面のカメラマンを含む撮影チームと連携し、状況に応じた即時対応で本番撮影・配信を成立させた

成果

  • 高速で移動する航空機とAR表現を、屋外イベント環境においてリアルタイムに同期
  • 飛行機ゴースト(過去フライトデータの可視化)やパイロン表現を用いたAR演出を実現
  • 大会映像を大型スクリーンおよびライブ配信で公開
  • 距離連動シェーダー技術をAIR RACE X(Phase 2)へ継承
Phase 2

AIR RACE X

担当業務と技術的課題

AR配信基盤の設計・実装

課題

世界各地で飛行された実機センサーデータを統合し、大会当日にAR描画エンジン(Unity)へ同期配信するAPI基盤の設計・実装を主導しました。

技術的対応

  • センサー生データ(位置・速度・加速度・姿勢情報)をAR描画用フォーマットへ変換する中間レイヤーを設計
  • ゲート通過・ペナルティ・タイム計測などを扱うタイムライン構造を定義し、描画と整合するデータ設計を実施
  • TypeScript(Node.js)で仕様変更を吸収する中間フォーマットを定義し、データ変換レイヤーを構築
  • 50台同時接続のHMD環境において、会場音響と同期する配信設計を実施

多国籍チームとの技術調整

課題

海外チーム(センサー/WebAPI)とのインターフェース設計・技術調整を主導しました。

技術的対応

  • データ仕様を整理・明文化し、海外チーム(センサー/WebAPI)とのインターフェース設計を主導
  • 大会ごとに変動するセンサー仕様・演出要件に対応できる拡張可能な変換処理を構築
  • 多国籍チーム間のデータ仕様を統一し、連携フローを標準化

AR描画・デバイス対応

課題

Unity側のAR描画エンジンとデバイス固有の最適化を担当しました。

技術的対応

  • VPS・PLATEAUを活用した屋外都市スケールARの設計・実証
  • PICOデバイスでの安定動作に向けたパフォーマンス最適化
  • 配信データとAR描画の同期を実現するUnity側の受信・描画設計

成果

  • 本プロジェクトはスポーツイノベーションスタジオコンテストにてパイオニア賞を受賞
  • 2023〜2025年の大会で継続利用される配信基盤を構築
  • 多国籍チーム間のデータ仕様を統一し、連携フローを標準化

技術解説記事

AIR RACE X における AR 実装技術の解説

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ゲート通過・ペナルティ・タイム計測などを扱うタイムライン構造を定義し、描画と整合するデータ設計について解説しています。

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